さて、フランス語の勉強歴その3です。前回で大学院に入るまでを書いたんで、今回は大学院に入ってからの3年間を書きたいと思います。ところで、仏文の大学院と言えばみなさんどんなイメージを抱きますか?大学院だからかなり厳しくフランス語の勉強をさせられるんだろうなと思うと方も中にはいると思いますが、実はうちの大学ではフランス語の実用的な運用能力を上げるような授業はほとんどありませんでした。
なぜかと言うと、「大学院の授業と言うのはあくまでフランス文学なりフランス語学を学ぶところで、その基礎となるフランス語力は自分でつけろ」というのがうちの大学院のスタンスだったからです。そういえば僕の先輩も、「大学院は専門について学ぶところで、フランス語そのものを学ぶところではない」とよく言ってました。まあ、それがいいかは別として、うちの大学院はそういうところでした。
だからほんとは大学院に加えて自分で日仏とかに行ければよかったんでしょうけど、貧困&先見性の欠如から僕はフランス語の学校には行かず一人で勉強してました。今から振り返ってみると、このとききちんと学校に行っておけばよかったなと思います。
さて、僕はいろいろちんたらしてたんで大学院の修士に三年もいたんですけど、まず最初の一年目は結構フランス語を勉強してました。このあたりでは、ゼミで使うテキストの精読+インターネットから拾ってきた記事の多読と言うのが主な勉強法でした。僕が大学院に入った一年目は2002年でちょうどワールドカップがあった年なんで、勉強と称してサッカーの記事を大量に読んだのをよく覚えています。
奨学金も入ったので、夏はディジョンのCIEFという大学付属の語学学校に行きました。ここの学校は日本人もそれほど多くなく、結構いいフランス語の勉強になりました。と言っても、勉強はあまりせず、ほとんど毎日のようにサッカーをしてました。後アメリカ人とイギリス人の友達が多くできたんで、授業以外はほとんど英語を話してました。授業が終わると体育館でサッカーして、その後みんなで町に繰り出して酒を飲んで、10時ぐらいになったら近くのしょぼいクラブに言ってそれで3時ぐらいになったら寮に帰ると言う生活をしてました。このときは絶好調に楽しかったです。まあ、それ以外にも親の友達あったりしていろいろつれてってもらったりしてました。この夏は本当に楽しかったですね。
帰ってからは、多読の勉強と称してフランスで買ってきたポール・オースターの翻訳本を読んでました。この時期にオースター以外に読んだものとしては、ハリポタ・村上春樹などがあります。こういう翻訳の作品はフランス語独自の表現形式が少なくて、わかりやすくていいと思います。後、ディジョンで一ヶ月いる間に結構リスニングができるようになったんで、フランス語のリスニング能力にもっと磨きをかけたいと思ってRFIとかNHKワールドとかいろいろ試したんですけど、当時の僕には難しすぎて結局続きませんでした。最終的には向こうでフレンズのDVDを買ってきたんで、それを聞くという形で落ち着きました。ただ、英語と違ってフランス語版の字幕はかなりいい加減なんで、字幕を見ててもあんまり聞き取れないんですよね。ですから、これは当時の僕にとってあまりいい勉強法じゃなかったなと今になって思います。
二年目には教育学部の授業の心理言語学と言うのを取ったんですが、これが面白くてだんだんとはまってしまい、その結果この年はフランス語の勉強がかなりおろそかになりました。心理言語学はアメリカ発の学問なんで、どうしても英語の文献が多いんですよね。ですから、この年はフランス語の文献2:英語の文献8ぐらいで文章を読んでたと思います。この年もまた夏にディジョンに行ったんですけど、このときも例のごとくボールけってました。このときはできた友達がウクライナ・ドイツ・イタリアあたりだった上に、サッカーも地元のアラブ系の人たちとやってたから、前年に比べるとフランス語で話す機会はかなり増えました。
特にウクライナ・ドイツ・イタリアから着た三人とは仲がよくて、ほんとにいろいろ遊びました。その中でも一番印象に残ってるのは、近くのボーヌの町にチャリンコで行ったことですね。イタリア人にディジョンからボーヌまでは20キロぐらいだから4時間ぐらいでつくよといわれて行ってみたんですが、実際は7時間ぐらいかかったと思います。この夏は猛暑で気温が38度くらい平気でありましたが、そんな炎天下の中ブドウ畑の中を自転車で突っ切ったのも今となってはいい思い出です。あの焼け付くような太陽の下食べたぶどうの味は一生忘れることはないでしょう。
さて、フランス語の勉強ですが、このころは多読を始めて2年ぐらいたったんで、辞書を引かなくても簡単な小説ぐらいならなんとか読めるようになってました。にもかかわらず、この時期には自分がフランス語ができるようになったと言う感覚はぜんぜんなかったたです。むしろ、「フランス語ってよくわからないなあ」とか「フランス語っていつまでやってもできるようにならないなあ」と言う気持ちがほとんどでした。
今思うに、この時期はリスニングができなかったから、フランス語の感覚がつかめてなかったんですよね。まあ、これはあくまで僕の個人的な感覚ですけど、結局文章だけ読んでてもできるようにならないんですよね。もちろん本を読んでいたら字面はわかるようになるんですけど、それを耳から入れないとどっか表面的な理解に終わってしまいます。ほんとに体にしみこませるためには、やっぱり耳から聞かなきゃいけないんじゃないかなと僕は思います。それをせずにただ目だけから読んでいたので、フランス語特有のリズムが体にしみこんでいかず、いつまでたっても「腑に落ちない」と言う状態のまま終わってしまうんではないでしょうか。
3年目に関しては、フランス語の勉強で特筆すべきことはないです。正直、このことはいろんなことが中途半端で、なかなかうまく行きませんでした。フランス語の勉強も相変わらず多読のみで、実力の進歩もほとんど感じられませんでした。
以上のことからわかるように、大学院時代の独学はと言うのは必ずしも効率のよいものではなかったです。むしろ、はっきり効率が悪かったと言えるでしょう。もちろん、一人で勉強するとフランス語が身に付かなくというわけではありません。ただ、僕の場合どうしても勉強が読解に偏りがちでそれ以外の能力を身につけるのをおろそかにしてしまったんで、結果としてあまり能力が伸びませんでした。
独学で勉強する人は、どうしても勉強が偏りがちになるので、その都度その都度自分の勉強法が偏ってないかチェックする必要があるでしょう。特に、日本で勉強するとどうしても読解に偏りがちになるので、それを修正するためにも高度な文章のリスニングに力を入れてください。ただ、ここで読解の能力をつけたことが、その次の年でのフランス語の飛躍につながりました。そういう意味では、この3年間で多読をしたことは間違いではなかったと言えるかもしれません。
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